防衛機制にもでてきた用語”投影”と”同一視”について。
臨床現場だけでなく、普段人と接していても感じるのが”投影”と”同一視”です。
自分を少し俯瞰してみて、ネガティブな思考は”投影”や”同一視”によって起きている歪みなのでは・・・と感じられたら、少し楽になるかなと思い、この記事を書いています。
対人関係のデジャヴはありませんか?
人は知らず知らずのうちに、それまでの失敗と成功を再現しながら生きています。
自分にはその経験しかないからです。
対人関係にも同様のことがいえます。
毎回同じパターンで恋人とうまくいかなくなったり、友人と仲違いしたりしていませんか?
そこで起きやすいのが”投影”と同一視”です。
親しい関係で起きやすい”同一視”
相手と自分が同じだと感じてしまう現象です。
相手に感情移入するあまりに、自分との境目がわからなくなってしまう状態でもあります。
「あの人がAと思っているのだから、私もAと感じている(はず)」
「私がBを嫌いだから、恋人もBを嫌い(なはず)」
というように、自分と相手は同じであると思うことで、不安を解消して安心感を得ている状態です。
でも、相手と自分は違う人間なので、まったく同じというわけがありません。
この前提を見失うと、トラブルが起きやすくなります。
当たり前であるはずの違いを許容できなくなり、怒りや悲しみが襲ってきます。
「Aと感じているはずなのに、違和感がある」
「自分が嫌っているBを恋人が好むなんておかしい」
というように、過度な同一視は、自分も相手も否定する気持ちを生んでしまいます。
大切なのは、自分と相手は違う存在だという前提を忘れないこと。
それぞれの感じ方は独立しています。
違うことを感じていても、それに感情が波立たないようにできるとよいですね。
明日は”投影”についてお伝えします。