”女の敵は女”という表現を耳にしたことはありますか?
女性同士の関係は複雑で、マウンティングだとかフレネミーだとか、一緒にいるにもかかわらず敵対関係であることがあります。
もちろん、女性に限った話ではありませんが、今日は相手を敵視しやすい人について。
気づけば周りは敵ばかり?
「どこに行っても嫌がらせをされる。」
「学校や職場など、身近にひとりは大嫌いな人がいる。」
そんなことはありませんか?
そして、それは似たような相手ではありませんか?
相手だけでなく自分の中にも、自分を苦しめる要因があるかもしれません。
①自分を守りたいという欲求
これまでに深く傷ついた経験のある人は、自分を守りたいという自己防衛の欲求がとても強くなります。
自分を守るという欲求を最優先にすると、周囲への敵対意識が強くなります。攻撃的な態度や発言も多くなり「自分が傷つく前に相手を傷つけてしまおう。」という意識が働きます。
②「勝つ」か「負ける」かという思考
自分を守ることが第一優先なので、相手に勝つか負けるかという二者択一の思考になってしまいます。
妥協する、仲直りするという「許す」ことが非常に難しくなります。
許して油断してしまったところで、また相手に深く傷つけられることを恐れているためです。
③相手も傷つくということが想像できなくなる
仮に自分が「勝った」として、相手を深く傷つけたことに目を向けることができなくなります。
「自分を傷つけたのだから当然」と考えてしまったり「もっと徹底的にやり込めなければ、相手を懲らしめられない」と考えたりします。
相手が非常に冷酷で強い、意地悪な人に見えてしまうのです。
ポイントはトラウマ
強すぎる自己防衛にはトラウマが影響しているといわれています。
「トラウマってどの程度?」という疑問が生じますが、つらい経験は心に傷を残すということです。
ドラマや映画で扱われるトラウマは外傷性ストレス障害と診断されるようなもので、トラウマがフラッシュバックしたり急に感情が爆発したりという特徴的な症状がみられます。
しかし、そのように強い症状ばかりが表れるわけではありません。
トラウマが生まれる代表的な例をご紹介します。
①事故や災害、暴力などの経験
事故や災害など、肉体にもダメージを受けた経験は心の中にも傷として残ります。
②いじめや虐待など人為的な苦痛
いじめがトラウマとなっている方も非常に多く、無視や悪口、人に避けられる経験は人を深く傷つけます。
③戦争など長期にわたる複雑な体験
戦地から戻った兵士がPTSDに悩まされるという例もたくさんあります。
トラウマのきっかけや種類はとてもたくさんあり、つらい経験を避けることができなかったという無力感も残ります。
「今」の状況は?
「つらい経験を回避することができなかった」という思いは、自分に価値がないと思い込ませたり立ち向かう気力を奪ったりします。
いつも敵に囲まれていると感じる人こそ、今はどうなのかを冷静に捉えられると楽になります。
相手と交渉はできますか?
過去につらい経験をさせた相手は、歯向かうことのできない強大な存在だったかもしれません。
では、今、目の前にいる相手はどうでしょう。
自分の気持ちや感じていること、意思を伝えて交渉することはできないでしょうか。
自分を受け入れてはくれないでしょうか。
「まあ、話せなくはないかも・・・」と感じたら、ぜひそれにチャレンジしてみてください。
交渉できたという経験を自分の中に作りましょう。
周りが敵ばかりでつらいと感じたら、カウンセリングも頼ってみてくださいね。