人には心を守る機能があります。
ストレスが続いたときや理想と現実の折り合いをつけるために、体と心の両方が働きます。
フロイトの精神分析から誕生した考えです。
つらいことが続いたとき、自分自身でも感じることがあります。
みなさんも思い当たるところがあるのではないでしょうか。
防衛機制の一覧
①抑圧
②昇華
③置き換え
④逃避
⑤退行
⑥反動形成
⑦合理化
⑧同一化
⑨投影
⑩解離
⑪否認
⑫打消し
なんとこんなに種類があるのです。
①抑圧
心を守る基本はこれ。
嫌なこと、都合の悪いことを心の奥に押し込んで見えないようにします。
嫌な思い出や痛みをともなう記憶を忘れてしまう現象が当てはまります。
②昇華
社会的に認められない欲求を道徳的に正しいとされる行動に置き換えて解消することです。
抑えきれない性的な欲求をスポーツで発散するなどの例があります。
③置き換え
特定の人物や物に向けられる感情を表現することが難しい場合に、他の対象に感情を表現することです。
八つ当たりや妥協するといった行動に出やすいです。
④逃避
辛いことから目をそらし、別のことに目を向けることです。
よく、試験前に部屋の掃除をしたくなる気持ちに例えられます。
⑤退行
子どものような言動をすることで、不安を避けようとする行動です。
誰かに守ってもらいやすくなる、不安に気づいてもらいやすくなるという面があります。
⑥反動形成
無意識に抑圧されている強い感情に対して、感情とは正反対の行動をとってしまう反応です。
好きな子をいじめてしまったり、嫌いな相手に過度に愛想よく振る舞ってしまったりする行動を指します。
⑦合理化
かなわない欲求に対して、都合の良い理由をつけて自分の行動を正当化しようとすることです。
「ご縁がなかった」と表現されるようなものかなと思います。
⑧同一化
自分の尊敬する相手や理想の相手の振る舞いや特徴をまねて欲求を満たそうとすることです。
好きなアイドルの服装やメイクを真似る行動などが当てはまります。
⑨投影
自分の中にある不都合な感情を他の人のものだと思うことです。
例えば、本当は自分が相手を嫌っているのに「あの人に自分は嫌われている」と感じることなど。
⑩解離
受け入れがたい事実や感情を切り離してしまうことです。
現実に不都合は存在していますが、本人は意識から外してしまっている状態です。
⑪否認
認めたくない現実や不快な体験、欲求をなかったことにしてしまうことです。
これだけでは抑圧との区別がつきにくいですが、本当は違うと知っているが認めようとしないことを否認と呼びます。
⑫打消し
不安や罪悪感を生じさせた行為をやり直したり、反対の行為をして無効にしようとすることです。
浮気をした罪悪感から、配偶者の機嫌をとるなど。
今日はざっと一覧を解説してみました。
これらは誰にでも起こる心理反応です。防衛機制が働かない人なんていません。
これらの心の動きに気づいたからといって、正しくとらえなおす必要もありません。
防衛機制によって、さらに不都合な現実が生み出されてしまうときだけ、ご相談ください。