今日、依存のことが話題にのぼりまして。
アルコール依存のことは前にも書いたことがあるのですが、依存の仕組みは書いていなかったかも・・・。
ということで、依存についてお伝えしていきます。
まずは”依存症”と呼ばれるものの仕組みから。
物質依存とプロセス依存
依存症には大きく分けて2つの種類があります。
それが、物質依存とプロセス依存です。
物質依存はタバコ、アルコール、大麻や覚せい剤など、摂取することで脳内でドーパミンが分泌され快感を得てしまうことを繰り返してしまうものです。
依存物質の摂取という行為に対して、快感を得るという報酬を体験してしまっているため、さらなる快楽を求めて物質の摂取量が増えていきます。これを乱用といいます。
依存症と診断されるときは、依存物質の摂取を何よりも優先してしまい、昼夜問わず依存物質のことで頭がいっぱいになってしまいます。
脳の仕組みも変わってしまい、依存物質からくる報酬刺激をポジティブなものとして記憶してしまいます。
そのため「やめたい」という思いがあっても、依存物質を渇望してしまうのです。
プロセス依存の代表的な例は、ギャンブル依存です。
ギャンブル行為やギャンブルの過程に心を奪われ、日常生活や経済状況に支障をきたします。
これは、物質依存と違って脳に変化はないとされてきました。
近年の研究では、物質依存と同様に脳委縮などの変化がみられるとされています。
買い物依存も例に出されやすいものです。
脳内で報酬体系ができあがってしまうというのは、物質依存と変わりません。
どちらも苦しいものです。
そして、3つ目の依存が人間関係への依存です。
恋愛依存、共依存など、形はさまざまです。
人間関係への依存でよく見られるのは、一方的で単純な関係です。
この場合、依存の対義語として対等という言葉が挙げられます。
互いに思いやり、都合や事情に対して許しあうことができる関係のことです。
双方向のやりとりが生まれます。
依存関係にある人間関係は、一方が相手を支配してしまったり、完全に従属してしまったりしています。
なぜそのようなことが起きるかというと、やはり報酬が関係しています。
・人を支配することで、自分の劣等感を埋めたような気分を得ている。
・人の世話をすることで、周囲から得られる賞賛を快感として感じており、身を費やしてしまう。
・依存関係にある相手から逃れられず、「この人を支えられるのは自分だけ」と耐えることで満足感を得てしまう。
対等な人間関係とは別のところに、報酬を見出してしまうことで、人間関係への依存は生まれます。
いずれも、依存を断つことは簡単ではなく、依存先を完全に断つことが必要です。
人間関係だけは、親子や夫婦などそうもいかない関係があるので、適度に距離を置いて関係を見つめなおすことが必要でしょう。