とっても一般的になった言葉”トラウマ”
ちょっとしたやりとりでも使われますよね。
「いまの言葉トラウマだわー。」
「あの時の失敗、トラウマになった。」
ちょっと辛いことがあったらトラウマ?そんな感じになっている言葉ですが、実際はトラウマってなんでしょう?
人生はトラウマの積み重ね
トラウマとは”その人の身体や心に衝撃を与え、心に傷を残す体験”のことです。
この心に傷を残す体験は”生命を脅かすほどの衝撃的な体験”と言われてきました。
でも、最近はそこまで大きな体験でなくともトラウマになり得ると言われています。
例えば、けがは大きくなくとも交通事故にあうとか、ショッキングなニュースをみたとか、心に傷が残る体験はトラウマ体験になるかもしれません。
トラウマ体験のあと
トラウマ体験のあと、心のショックを自覚する前に、体に反応が表れます。
人には交感神経と副交感神経があり、交感神経が優位なときは汗をかいたり、体が震えたり、目がさえたり、いわゆる興奮状態になります。副交感神経が優位なときは、脈拍が遅くなったり筋肉が弛緩したり、リラックスした状態になります。
怒りがこみ上げるというのもよく起こる反応です。「どうして自分がこんな目にあわなければならないんだ。」という怒りがこみ上げてきます。
トラウマ=PTSDではない
小さなことではトラウマにならないというイメージについては、トラウマとPTSDを混同しているのかもしれません。
PTSDは日本語で心的外傷後ストレス障害と呼びます。
PTSDの症状は下記のようなもの。
①フラッシュバック
トラウマ体験が鮮明に思い出され、幻覚や悪夢を見ているような状態になる
②回避
トラウマを連想させる人や場所を避ける
③自責感
トラウマ体験後の怒りのあとに感じることが多く、「つらい体験をしたのは、自分が悪かったせいだ。」と感じてしまう
①~③の症状はトラウマ体験の後に表れやすいものですが、その他にアルコールの乱用やうつ症状、躁状態がみられることもあります。
周囲からみると「どうしてこんな状態になったの?!」と驚くような症状がみられます。
トラウマへの”反応”と”障害”の違いとも言えます。
小さなトラウマも傷つきっぱなしではよくない
失恋や親しい人との死別、離別、生きていれば必ず起こることもトラウマ体験となり得ます。
トラウマを話せる人や一緒に乗り越える人がいると、状態は軽くなります。
傷ついた心に蓋をして、無視し続けると、心の傷が治らないまま年月を重ね、ふとした瞬間にあふれ出してしまうかもしれません。
つらいとき、頼っていただけるとよいかなと思います。