普段のお仕事では、家族問題も扱います。
みなさんはどんなご家庭で育ちましたか?
今はどんな家庭を築いてますか?
家族の課題を捉えるのが「家族心理学」です。
家族はシステム
わたしが心理学を学んでよかったなあと感じることのひとつ。
家族を構造的に捉えることで、結婚、子育て、思春期、老年期などの個々の発達段階における課題について、家族という単位で解決法を探っていくことができます。
家族というシステムが上手く機能するように働きかけることで、個人の課題が解決していきます。
家族という”絆”と”血縁”で結ばれている関係だからこそ、問題解決についてはアカデミックに研究されていなければなりません。
家族の役割
高校生のとき、家庭科の授業で家族は「性」と「食」を共にする関係だと習ったことをいまでも覚えています。
学問ごとに家族の役割は異なるのでしょう。
家族心理学の視点では、家族の関係は以下のようなものです。
①父と母を中心に、子どもの教育を担う
人は少なくとも、生まれるときに「家族」となる他者が存在するので、父母を中心に子どもの教育を行うという機能があります。
この点においては、家族の多様化と教育の外部委託化でかなり変化しています。
しかし、児童養護施設などでは家庭的な環境を作ることを非常に大切にしている所もあり、やはり子どもにとってはこの機能はとても大切なのだと感じさせられます。
②親密な対人関係を築き、学習する場
この点は、様々な家族の形がある現代でも、変化しにくい構造です。
家族との関係を通して、そのほかの人との接し方を学ぶことは大いにあります。
家族に対して行われるアプローチ
外の人間が介入しにくい、家族という関係ですが、家族だけではその機能が危うくなってしまうことがあります。
「家族の危機を予防し、その絆を強くする」ときに専門家のアプローチが必要なことがあります。
①ブリーフセラピー
ブリーフセラピーとは起きている課題を個人で解決するのではなく、コミュニケーションによって状況を変えていくセラピーです。
「課題を解決する」ことに焦点を当てるため、アプローチの期間も短いという特徴があります。
②カップルカウンセリング
カップルの間で生じている課題、こじれてしまっている関係について、カップルで受けるカウンセリングです。
1人ずつの場面もあれば、2人一緒にということもあります。
③家族カウンセリング
家族の役割やシステムがうまくいくことで、課題の改善を促す方法です。
家族カウンセリングの特徴は、起きている課題をひとりきりで解決するのではなく、家族というシステムを使って解決するという点にあります。
カウンセリングに協力していただけるご家庭であるということが、それぞれを大切に思っている証拠だな・・・とわたしは感じます。
家族をシステムと捉えるのは、もしかすると冷たいように感じるかもしれません。
でも、家族心理学に取り組む専門家の方は、とても暖かく、それぞれの家族が幸せに暮らしていけるように心を尽くしてくださっている印象があります。
夜空カウンセリングの専門とは少し離れますが、家族の課題に関しても専門家を頼っていいんだなと思わせてくれる存在です。