うつ病が一般的な病気になって、20年くらい経ちましたね。
「そうかな?」と思ったときに、受診しやすくなって、環境整備も進んだと思います。
こころの専門家には身近なので、改めてブログで触れたことはなかったのですが、まだまだうつ病のことを知らない方もいるかも・・・。
と、思ったので、今日はそのお話。
落ち込むのは気分の問題?
うつ病があまり知られていなかった頃、よく言われていたのが「気のせい」です。
これは、うつ病の方にはとてもつらかったと思います。
「気の持ちよう」とか「頑張りが足りない」というのは、うつ病の方を追い込みやすい言葉です。
うつ病は神経伝達物質の分泌異常
眠れない、何をしても元気が出ない、落ち込みやすい・・・そんなうつ病の症状は脳の変化が理由です。
そもそも、生きていくためには脳を含めた「体」が機能していることが大切です。
脳からは様々な神経伝達物質が分泌されており、リラックスしたり興奮したり、気分や意欲、知性などに大きく関係しています。
分泌量に個人差が生まれれば、怒りっぽくなったり落ち込みやすくなったり、気分をコントロールすることが難しくなります。
うつ病の方は、神経伝達物質のなかのセロトニンがなんらかの理由で分泌されににくくなってしまっています。
今のところ原因はわかっていませんが、まじめな人、完璧主義な人がうつ病になりやすい傾向にあり、ストレスが大きく関係しているとされています。
・・・とすると、うつ病は個人の頑張りでなんとかなるものではないのです。
大切なのは休息と治療
うつ病の方は、それまで人一倍がんばってきていることが多いので、体が休息を欲しています。
休むことは悪いことでもなんでもありません。
たくさん眠って、ゆっくりと休んでください。
お仕事や生活が心配な方は、産業医さんに相談を。
今はメンタルヘルスの概念が浸透しているので、きちんとアドバイスをくれることが多いと思います。
そして、精神科を受診してください。
それまで縁がないと、どうしても行きにくい場所に感じてしまいますが、今は訪ねやすいクリニックも増えています。
セロトニンの働きをよくする治療薬が出るので、服薬するとずいぶん楽になります。
きちんと治療を。
無理にカウンセリングは勧めません。
でも、誰にも言えないときは力になれればと思います。