今日会ったあの人について。
機嫌が悪いような気がしたらどうしますか?
「あれ?私なんか悪いことしたかな・・・。」
「不快にさせるようなことを言ってしまっていたらどうしよう?」
そんな風に不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
今日はその不安がどこから来るのか解説します。
原因の帰属について
何かが起きたとき、人は原因を求めるものです。
なぜそうなったかを理解することで、再現を可能にしたり、または再現しないように工夫したりすることができるためです。
心理学では”学習”の分野に関連します。
学習にはさまざまなパターンがありますが、以下のような例が代表的です。
古典的条件付け:パブロフの犬実験
パブロフは犬に餌を与える際、餌の前にベルを鳴らすという手順を繰り返しました。
最初は犬は餌の匂いで唾液を分泌する自然な反応を示しましたが、ベルと餌の結びつきが強くなるにつれ、ベルの鳴るだけでも唾液が分泌されるようになりました。
操作的条件付け:スキナーの箱実験
スキナーボックスには、動物が特定のレバーを押すことで餌や水が与えられる仕組みがありました。
最初は動物がランダムに行動するものの、偶然にレバーを押した結果として餌や水が出ることに気づきます。
この結果、動物はより頻繁にレバーを押すようになります。これを「強化」と呼び、特定の行動が報酬や強化の結果として増加することを示しています。
社会的学習
人の真似をすること、模倣することで新しいスキルを獲得することです。
さまざまな学習を通して、自分が何かをすることで結果が変わるという体験をしていきます。
原因が自分に帰属するという体験が増えていくのです。
原因は自分だけではないけれど
誰かの機嫌が悪くても、その理由が自分であることは稀です。
自分以外にもたくさんのものが相手に関係しており、さまざまな要因が重なって相手に影響を与えているためです。
自分のせいだと感じてしまうのは、あなた自身が以下ような傾向を持っているためです。
①自己中心的な思考
自己中心的な思考パターンを持つ人は、他人の感情や態度を自分に関連付けがちです。例えば、相手が機嫌が悪いときに「私のせいだ」と考えることで、自己中心的な解釈をしてしまうことがあります。
②自己評価の低さ
自己評価や自己価値感が低い場合、他人の態度や反応に過度に敏感になる傾向があります。そのため、相手の機嫌が悪いときに自分を原因として捉えることがあります。
③過去の経験
過去に他人の機嫌が悪いときに自分が関与していた経験がある場合、同じような状況であれば自分が原因だと考える傾向があります。過去の経験が思考パターンに影響を与えている可能性があります。
相手を大切にする
相手を気遣うということは、自分を責めることではありません。
機嫌が悪いときに限らず、「元気がないな」「体調が悪そうだな」と感じるときは、「私のせいかも・・・」と考えるよりも、相手に何ができるか考えられるといいですね。
いつも「自分のせいかも」と感じている人は、カウンセリングで客観視のお手伝いもできます。