前回は異文化適応のパターンについてお伝えしました。
適応するまでには、カルチャーショックという大きな心理反応があるわけですが、そのあとにも適応までにはいろいろな過程があります。
今日はその過程を深掘り。
Uカーブ説とWカーブ説
実はカルチャーショック後の流れには2つの説があります。
①Uカーブ説
最初は異文化に対して、興味や好奇心からの興奮があり、好意を持って過ごすことができます。(ハネムーン期)
しかし、カルチャーショックを経験した後、異文化のことが嫌になってしまったり馴染み切れなかったりと葛藤する時期を迎えます。(ショック期)
その後、自分のペースで異文化への適応の仕方を見つけていきます。(回復期)
②Wカーブ説
帰国後までを含めて異文化適応とする説です。
Uカーブ説の過程を経て、異文化に適応したのち、帰国の日がやってきます。
帰国までの間、これまで過ごした地を離れる寂しさや帰国後への期待によって不安定な状態を経験します。
帰国後は、異文化を経験して視野が広がった自分に対し、周囲の価値観が以前と変わらないことに対する不満や外国で体験したやり方が自国では通用しないといったリエントリーショックが起こります。
異文化に接した際と自国の文化を見つめなおした際に2回のカルチャーショックを経験し、段階を経て自分の中に取り込んでいく(再社会化)ことを異文化適応とするという説です。
この間の心理的な負担はとても大きいもので、留学や海外赴任中に心身が不調になってしまう方も少なくありません。
わたし自身は、海外旅行がとても好きですが、遠い土地への転居はとてもストレスに感じるので、ハネムーン期を楽しむくらいが合っているみたいです。
みなさんはいかがですか?
自分が他国を理解するときにも、自国を理解してもらうときにも、適応の過程を意識していけるとよいかもしれませんね。