うつ病が日本で広く周知されてから、約25年。
その治療法や身近な人への対応法などが広く知られるようになりました。
その対極にある「躁状態」のことはあまり知られてないみたいなので、ちょっと書いてみることにします。
どこまでも気分が高まっていく「躁状態」について
躁状態は自分では気づきにくいものです。なぜかというと、気分が高揚して、自分自身ではあまり不便を感じないためです。
こんな状態になったことはありますか?
もしくは身近にこんな方はいますか?
①現実的ではないような万能感を得る
②話題が次々と変わり、話が止まらない
③尊大な気持ちになる
④借金をしようとしたり浪費が激しくなったりする
これだけ見ると「ちょっと変わった人に見えるかもしれないけど、治療は必要ないのでは・・・?」という感じもしますね。
躁には「躁状態」と呼ばれるものと「軽躁状態」があります。
躁状態は「自分は神だ」というような誇大妄想につながることもあり、あまりに現実離れしていると周囲の人が気づくこともあります。
軽躁状態では、上機嫌で気分が良さそうにみえるため、自分も周囲もなかなか気が付きません。
気を付けたいのは2つの破綻
自分では困ることがないように思える躁状態ですが、現実離れしている分、社会生活に支障をきたすことがあります。
①人間関係のトラブル
躁状態で起こりやすいのが、異性関係のトラブルです。
交際や性に奔放になりすぎてしまい、愛人を何人も作ったり感染症に無防備になったり、そんな状態に陥ってしまう方もいます。
気づけば、本当に大切にしたい相手との関係が破綻してしまっていたということもあります。
②お金のトラブル
現実離れした高揚感に包まれているため、借金をして起業しようとしたり本を出版しようとしたり、「必ず儲かる。成功する。」という思いから、お金のトラブルを引き起こしてしまうことがあります。
病的であるということに自分では気づきにくいため、周囲から人が離れ、借金だけが膨らんでいるということも起こり得るのが躁状態の怖いところです。
躁状態の多くは、うつ状態と対になっています。
躁状態の時に気づかなくても、うつ状態のつらさから治療求めることが多いのです。
大切な人が躁状態なのでは?と感じた時は、ご相談ください。