ホラー映画が好きなわたし。
心霊現象よりもヒトコワ系が好きなのですが、狂気の表現がすばらしいのが「シャイニング」です。
有名なので、見たことある方も多いですよね。
シャイニングのあらすじ
「シャイニング」はスタンリー・キューブリック監督によって1980年に公開されたホラー映画です。
スティーヴン・キングの同名小説を原作としています。
ジャック・トランスは元教師。酒に溺れた過去を持つ作家です。彼は、ロッキー山脈にあるオーバールック・ホテルの冬期管理人としての仕事を得ます。
このホテルは季節外れの冬の間も開かれています。ジャックは家族と共にホテルに滞在し、孤独な冬を過ごすことに決めます。
ジャックの家族は、妻のウェンディと5歳の息子のダニー。ダニーには特別な超能力があり、その超能力は「シャイニング」と呼ばれます。
ホテルで孤独な冬を過ごすうちにジャックは狂気に飲み込まれ・・・。
狂気を表現するときのポイント
狂気を映像化したという感じのこの作品。
視覚的に狂気を表す仕掛けがたくさんあります。
狂気を感じさせるポイントは以下のようなものです。
①現実感の喪失
シャイニングではホテルの内部で双子の幽霊が出てきたり、ドアの向こうに現実とは違う世界が広がっていたり、終始現実と幻覚、妄想の境界があいまいです。
視聴者が味わっている「これは現実?」という感覚そのものが、狂気の入り口なのです。
②奇怪な行動
狂気の状態では、通常の社会的な規範に照らして奇妙な行動や非常識な行動を取ることがあります。他の人が理解できないような行動です。
妻のウェンディがジャックの狂気に触れるのが、タイプライターで同じ文を打ち続けていることに気づいたシーン。
③錯覚や幻覚
狂気の中では現実に存在しないものが見えたり(幻覚)、現実を違うように見間違えたり(錯覚)します。
これは作中では鏡の中の世界に該当します。
ジャックが237号室で美女と出会ったり、ダニーが鏡に向かって「シャイニング」の能力を使っていたり。
うーん、でもこれはホラー作品なので、完全な幻覚や錯覚ではないですね。
④不安や恐怖
狂気の世界では不安や恐怖に襲われることが多くなります。自分の状態に対して恐れたり、周囲の人々や環境に対して不安を抱くことがあります。
孤独にさいなまれるジャックは仕事がうまくいかないからか、不安に駆られて怒りっぽくなっていきますよね。
ストレスによって狂気に取り込まれていくというようにも見えます。
狂気は精神的な病気によって引き起こされる場合もありますが、物理的な要因(脳の損傷など)やストレス、トラウマ、薬物の乱用などが原因となることもあります。
シャイニングをホラー作品としてみなければ、アルコールに溺れた男性が、孤立した環境に身を置くことで精神的に不安定になってしまう・・・という内容です。
そういう見方もできるところが、解釈の難しいシャイニングを見やすくしてくれているのですね。
ある程度、現実的な内容のほうが、人は飲み込みやすいものです。
頭で理解できるぎりぎりの作品です。
まだ見たことがない人はぜひご覧くださいね。