歳を重ねたほうが幸福?エイジングパラドックス

エイジングパラドックス

最近、年齢やライフステージのことをよく考えます。

夜空カウンセリングではアイデンティティの確立を大切にしているというのもあり、個人の自由になる範囲のことは、年齢と関係ないと思っています。

「年齢の割に○○」というのは、あまり好ましくないと考えているほうなんです。

そんな今日は、歳を重ねたほうが幸福感が高いという現象「エイジングパラドックス」についてお伝えします。

エイジングパラドックスとは?

エイジングパラドックスとは、高齢者が身体機能の衰え親しい人との別れなど喪失体験を経験しているにも関わらず、若者よりも幸福度が高いという現象を指します。

日本国内でも85歳以上の高齢者を対象にした調査が行われており、現在の自分に満足しているという結果が得られています。

若い人ほど、この現象は信じられないのではないでしょうか。

エイジングパラドックスはなぜ起こる?

エイジングパラドックスを説明するときに用いられるのが、選択最適化補償理論です。ドイツの心理学者ドール・バルテスによって提唱されました。

この理論は3つの要素で成り立っています。

①喪失に基づく目標の選択

若い頃にはできていたことができなくなることで、目標を見直すことです。

歳を重ねた自分自身が達成できるような目標に変わることが多いため、目標が達成されることも多く、満足感が高まります。

②資源の最適化

自分の目標に対して、残された時間や限りある資源を分配することです。

高齢者のほうが今の状況に適応しやすくなるため、幸福度が高まりやすいといえるでしょう。

③補償

他者からの助けを借りたり、新しい技術で機能を補うことです。

これによって、新しい人間関係が生まれたり、新たな技術を得るための挑戦をしたりする機会が生まれるため、前向きな気持ちが生まれやすくなります。

そのほか、老年的超越という発達段階を迎えるため、過去に持っていた社会的地位にこだわらなくなったり、自分の欲求よりも他者の利益を考える余裕が生まれたりと、自己中心的な状態から脱することができるといわれています。

このような理論から、歳を重ねた人のほうが若者よりも幸福感を得やすいということが唱えられています。

わたし自身が大切にしたいのは、人はいくつになっても成長し続けるということです。

若い時代にどんなに幸せを追い求めても、かなわない人もいると思います。

それは自己責任だけではなく、世情や環境にも左右されるものです。

今の自分ではわからなくても、歳を重ねた時に「幸せだ」と感じられることが心理学的にも立証されているということを覚えておいていただければと思います。

http://yozoracounseling.com/

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